にんにくの成分と効用
にんにくは、ユリ科ネギ属の多年草で、古くから食用として根茎や球根を用いてきた歴史があります。
スタミナ源とも呼ばれるにんにくには、カリウムやカルシウムなどのミネラルのほか、ビタミンB群やビタミンCなどのビタミン類も豊富に含まれています。
中でも、特にアリシンと呼ばれる化合物は、強力な抗菌・抗カビ作用を持ち、体内のビタミンB1の吸収を促進して、疲労回復・滋養強壮効果を発揮します。
ここでは、にんにくに含まれる代表的な成分を紹介し、その効能を説明します。
アリチアミン
アリシンとビタミンB1が結合してできる物質です。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝を効率よくするために不可欠な栄養素ですが、一度に吸収される量に限りがあるため、体内での蓄積量が低いという欠点があります。
アリチアミンはビタミンB1と同じ効果を持ちながら、より長いあいだ血中にとどまり、身体の代謝率を向上させる作用があります。
スコルジニン
細胞を活性化させる効果のほか、血行促進作用がある成分です。
体内の発汗や利尿、消化を促進する作用があり、新陳代謝を向上して脂肪の蓄積を防いだり、コレステロールを低下させることができます。
その作用から、強壮・強精成分として用いられています。
ゲルマニウム
ゲルマニウムには有機ゲルマニウムと無機ゲルマニウムの2種類があります。
このうち、にんにくに含まれているのは有機ゲルマニウムであり、鉱物由来の成分でありながら、水溶性なので体内への吸収・体外への排出がスムーズに行われます。
有機ゲルマニウムは血中に溶け込み、体内の酸素と結合して体内のすみずみまで酸素を運んでくれる役割を持ちます。
体外への排出性も優れているので、中毒を起こす心配のない安全性の高い成分としても知られています。
チルアリルトリスフィド
血液の凝固を予防し、脳卒中や心筋梗塞などの血栓症を防ぐ作用があります。
ドロドロ血液をサラサラにするほか、血管を拡張し、血液の循環を改善するなど、血液に関する良好な効能・効果を持ち合わせています。